平成16年7月 茶臼岳【3日目】
 
隣のテントの音で目が覚めた。
外はまだ暗く、すぐに静かになったが、代わりに雨粒がテントをたたき始めた。
 
間もなく本降りになり、夜が明けても雨の勢いは変わらない。
このままやむ事は無さそうだ。
停滞も考えたが、雷が鳴っていないので行く事にした。
もし途中で雷が鳴ったら、その時点で行動を終わりにする。
 
昨夜は着乾しができなかったので、濡れたままの服を着る。
びしょ濡れになりながら、荷物をまとめて出発する。
 1組のご夫婦と、抜きつ抜かれつ茶臼を目指す。
 
 ●
 
静高平の水場は枯れていた。
枯れ沢の脇に、トリカブトの花が揺れていた。
道は沢型となり、滑らない様に慎重に下って行く。
 
トボトボ歩いていると、後ろを来るご夫婦の
『おぉっ!』『あらぁ〜〜♪(はぁと)』という声が聞こえてきた。
 
何だろうと思って振り向くと、1人の青年が歩いて来た。
見ると、『若くてハンサム、長身でスタイルが良く、足が長くて歩幅が大きい!』
ダブルストックを巧みに使い、走るような速さだ!
 
『こんにちは、どこから歩いて来たの?』と聞くと、『同じテン場でしたよ。では!』
アッと言う間に見えなくなってしまった。
  
う〜ん、雑誌のモデルみたいで実に爽やかなのであった♪
 

 
易老岳に到着すると、私よりも先に光小屋を出発したツアー団体が休んでいた。
ここから暫く、この団体の後を行く事になるが、ペースの保ち方が参考になった。
 
ツアーの皆さんは、1時間に1度休憩するペースだ。
次の休憩をとった時、先を行かせてもらった。
 
皆さんが休んでいる脇を歩いていく。
すると、ツアー団体の少し先を、ツアーの女性が1人歩いていた。
まさかトイレ?
いや、そんなはずはない・・・・でも??
いやな予感がしたので『すいませーん!』と声をかけるも、
その人は『ぺろん』とカッパとズボンを降ろした。
再び『すいませーん!』と声を掛けると、私に気付いて立ち上がった。
登山道での花摘みは止めて欲しいです(-_-;
 

 
希望峰への登りは、急勾配と段が交互に現れる。
ようやくたどり着いた山頂は樹林の中。
休憩するべく荷をおろしたが、体を動かさないと濡れた体が震え出す。
水分をとったら出発した。
 

 
仁田池は、思っていたよりも水が多く、やや濁っていた。
池の東端は僅かな土盛りで、その先は急勾配と思われる。
よく、水が堪っているものだね。
池周辺は広々としているが、現在は幕営禁止です。
水場への道と巻き道を確認したら、先を進む事にした。
 

 
一頑張りで、瓦礫が積み重なった茶臼岳山頂に到着した。
あいにく、雨は振り続いている。
展望もなく落胆していると、ご夫婦にビーフジャーキーをいただいた。
 新潟から来たと言うご夫婦と、少しだけ山の話をし、
写真を撮ったら茶臼小屋へ下った。
 

茶臼岳山頂

おつまみ調理中
 
茶臼小屋には、昼前に到着した
受付を済ませたらビールを購入。
すると、サービスで越冬発泡酒が付いてきた(ラッキー)
土砂降りの中、 好きな場所にテントを張って中に逃げ込む。
明日まで、この狭いテントの中かと気が滅入る。
 
プシュッ♪
とりあえず飲む事にした。
最初は滅入っていたが、すぐにリラックスして色々な事を考えたりしてみた。
酒を飲みながら、のんびり過ごすのも良いものだと思った。
 
ものすごい雨だけど、テントの中は快適。
雨音を聞きつつ焼酎をなめていたら、いつの間にか寝てしまった。
 
 


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