平成16年7月 茶臼岳【4日目】
  
未明に目覚める。
『今日も天気が悪く、展望も無いだろう。』と決めつけていたら、
隣のテントから『星空が云々・・・』と聞こえてきた。
 
天気が良いのなら話は別。
急いで朝食をとり、必要な物を持ち、テントはそのまま上河内を目指す。
  

富士山と朝日

朝日を浴び、鮮やかなハイマツ斜面
 
小屋の裏を上がっていくと、大井川対岸の稜線から朝日が昇った。
空気は清み、展望も申し分無し。
   

茶臼小屋分岐

茶臼岳
 
稜線茶臼小屋分岐から、茶臼岳を望む。
今日登れば素晴らしい展望を楽しめるだろうが、
それは次回の楽しみとした。
 

亀甲状土

茶臼岳
 
間もなくお花畑に飛び出した。
二重山稜の船窪の中にある、雲上の庭園だ。
珍しい亀甲状土もあった。
ここから望む上河内岳は、スラリとした三角形で格好良い。
  

お花畑と上河内岳

竹内門
 
お花畑を抜けると、少しずつ登り勾配になる。
竹内門は、期待が大き過ぎたのか、思っていた程のスケールではなかった。
模様も良く分からなかった。
それよりも、そこに至る間の植生に目を奪われた。
また、竹内門を過ぎた辺りの登山道は赤色をしている。
おそらくラジオラリア?(赤岩)
  

聖 岳

竹内門付近の登山道
 
目の前に聖岳が見える。
前聖〜奥聖間の尾根が特徴的だ。
  
山頂直下の分岐から山頂を見上げる。
あと少しだ。
 
鼻歌を歌い、見る見る開けていく展望を楽しみながら登って行くと、
標高2803m上河内岳山頂にに到着した。
風が強く、自分の他は誰も居なかった。
 

上河内岳山頂直下の分岐

上河内岳山頂
 
まずは、この4日間歩いて来た場所を目で辿る。
小さな事の積み重ね、1歩1歩の積み重ねって凄いね。
  
このところ、南アルプスの気になる場所を幾つか歩いたおかげで、
過去に歩いた場所を見まわす楽しみが増えた。
苦労して歩いた場所を、当時の事を思い出しながら
遠くから眺めるのも面白いもの。
   

笊ケ岳

ブナ沢コル

お花畑

聖岳・悪沢岳

信濃俣

 
眺めを楽しみ、興味のある尾根の写真等を撮ったら踵を返す。
 
お花畑では、十分に時間を取って植生を観察し、
稜線に別れを告げて小屋に戻る。
 
テント&荷物の乾き具合を確認し、ゆっくりと荷をまとめたら、
小屋の皆さんにお礼を言って下りにかかる。
 

水呑場

水呑場
 
途中の水呑み場は枯れていた。
揺れるカニコウモリが涼しげだ。
 

カニコウモリ

横窪小屋
 
横窪小屋の赤い屋根がチラチラ見え始めた頃、
片膝が猛烈に痛みはじめた。
 
膝の中心に重心が来る様に気をつけつつ、だましだましゆっくりと歩いていく。
 

横窪峠

V字の木
 
時間に余裕があるので、多目に休憩をとり
無理をしないで下っていく。
 
勾配が緩やかになると、幾分痛みは楽になった。
その頃になると、下界に帰るのが辛くなってきた。
 

ウソッコ小屋下の水場

大井川本流は近い
  
大井川本流を渡り、畑薙大吊橋の横を通過する。
 
下山届を提出するべく沼平ゲートの詰所に立寄ると、
詰所の人と中年女性が『この人違う?』『違う違う』とやりとりし、
女性は再び不安げな顔で遠くに目を移した。
 
関西の方の様だが、下山予定時刻を大幅に過ぎても、
ご主人が下山しないのだそうな。
 
私と同じコースを下山してくる予定だったとか。
 

 


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