平成16年7月 茶臼岳【2日目】
 
昨夜はぐっすりと眠れた。
昨夜の残りのアルファー米に、チューブ梅を乗せて食べる。
ハチミツコーヒーを飲んだらテントを片付け、光岳を目指して出発する。
   

花に見送られ

煙る稜線
 
まず、道中どれくらい時間がかかるのかが分からない。
冬の記録を見ると、結構時間がかかったようだ。
夏ならどうだろう?
踏み跡はあるが、自分の位置を把握する為に
地形図をこまめに見ながら歩く。
 


幕営に最適
 
歩いて行くと、本当にコブが多い。
地形図の等高線の間には、思っていた以上にコブがある。
ピークの数で現在地を把握するのは、私にはチト難しい。
周りの地形がたよりだが、大方、ガスが展望を遮っていた。
 
歩き始めてしばらくは、そこかしこに幕営適地がある。
 とても快適そう。
水があればの話ですが。
    

キノコ

倒木
 
頭の上の方で、ゴロゴロゴロゴロ・・・・と音がする。
その度に『カミナリ?』と思うが、直後、ゴーーーと飛行音が聞こえ
『飛行機か♪』とホッとする。
 
キノコは顔をのぞかせ、根から倒れた樹が進路に横たわる。
緑色のシダのじゅうたんが涼しげである。
下界の記録的な猛暑が嘘のような、快適な山歩きだ。
  

広い稜線

ヌタ場
 
だだっ広いピークにさしかかる。
この日は、
泊地→西俣山→椹沢山→信濃俣→百俣沢の頭→光小屋テン場
の経路だが、ここが西俣山か?
 
判然としない。
とりあえず、行く方角を間違えない様、
何度もコンパスで確認し、見極めたらとぼとぼ歩く。
   

大根沢山

名無しのピーク
 
途中、展望がきく場所でガスが晴れ、大根沢山の大きさに圧倒される。
 
既に西俣山は通過したと思っていたが、なかなか次の椹沢山に着かない。
周辺の尾根・沢・山の見え方と図とを見比べるとどうも違うようだ。
 

ガレ頭(大根沢)

大根沢の切込み
 
大きなガレ縁を通過する。
ガレが発達した為、踏み跡が少しずつ東へ東へとズレて行った様な跡がある。
近い将来『尾根が寸断されそう』と思い、ザックに入れたカメラを再び出して、
今の姿を記録する。
 

熊剥ぎ

キノコ?
 
辺りは益々藪っぽくなってきた。
荒々しい熊剥ぎや、馴染みの無いキノコを横目に歩いていく。
 

古木

踏み跡
 
それにしても、なかなか椹沢山・信濃俣に着かない。
もしかして、通り過ぎたのかな?と思っていたら、
大きな倒木帯に差しかかり、尾根の東側を巻き気味に進む。
程なく、しっかりしたピークに出た。
 
山頂の木に何かが括り付けられている。
剥げた印刷をよく見ると、『椹沢山』と書いてあった。
 
そこから信濃俣はすぐだった。
狭いピークにザックを降ろし、ピーナッツパンを1つ2つほおばる。
この頃には、雨が降ったり止んだりしていた。
  

立枯れた木

信濃俣山頂(三角点)
 
信濃俣山頂でコンパスを確認し、進行方向のトレースを進む。
 
すぐに急な下りとなり、右が崖になっている。
事前に目を通した記録には、『右のガレに入り込まない様に進む・・・』とあったので、
『よしよし♪』と思いながら、急勾配→垂壁を木の枝につかまり、根っこにぶら下がりながら下る。
足元が崩れ落ちた拍子に、岩に擦れた腕時計のベルトが切れた。
その後、トラバース時に漕いだ枝葉が、眼鏡を跳ね飛ばした。
 
・・・・・。
 
何十年か前まで一般道だった山道が、こんなすざましいわけ無いよね(爆)
ここでコンパスを合わせると、進路より西へずれている事が分かった。
一旦、信濃俣山頂へ戻る事にした。
 
改めて山頂でコンパスを合わせ、
辺りを見ながら進んで行くと・・・右脇にトレースがあった。
方角も合っている。
 

信濃俣北側の最低鞍部付近

コースマーク
 
こういう道迷いの後は、思い切りが悪くなって歩くペースが落ちる。
 
この後到達する最低鞍部までの間に、進路の選択に迷う所があり、
そこでえらく時間を費やしてしまった。
 
最低鞍部に到着した時、カッパのポケットからコンパスを落とした事に気づいた。
急いで来た道を戻り、尾根下にコンパスを発見してホッとした。
 
ここから雷雨となる。
樹林帯の中だが、轟音と空を裂く様な雷光に首がすくむ。
雨粒が大きく、カッパを広げてたまった雨水を飲み、
樹の幹を流れ落ちてくる雨水をすすって水を節約する。
上を見ながら、山肌を這い上がっていく。
 
勾配が緩くなり、踏跡が、広い尾根を右に左に折り返して進むようになると、
百俣沢ノ頭は、もうすぐ目の前だった。
 

百俣沢ノ頭

本邦最南のハイマツ群生地から西方/イザルガ岳
 
そこからは、はっきりとした山道を行く。
間もなく視界が開け、本邦最南のハイマツ群生地の丘にさしかかる。
 
池口岳、光岳、イザルガ岳の山並みを一望する。
時折、遠く北アルプスの方角の雲が、音もなくまたたいている。
どうやら、嵐は去った様だ。
 


光 岳
 
光小屋のテン場は、前日の寝床と違って平らである。
しかし、互いのテントの物音が聞こえるので気を使う。
 
焼酎のお湯割りを飲んだら、飯も食わずに寝てしまった。
飯を作るのも面倒くさかった。
あぁ、眠い。
   


TOP 3日目
 

 
 

 
 
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