平成14年9月 聖岳 【一日目】
 
今回は・・・

今年の春、
北関東の渓谷を案内していただいたMさんと、
本邦最南の3000m峰・聖岳へご一緒する事となった。

入山前日、JR駅へMさんを迎えに行き、
一路井川奥を目指して車を走らせる。
途中幾度か休憩し、辺りが明るくなる頃
椹島登山口に到着した。

Mさんに先を歩いていただき、
雑談と周りの景色を楽しみながら高度を稼いでいく。
赤石沢発電所の導水管が発する重低音が遠くなると
間もなく出会所小屋。


登山口

聖沢吊橋

 吊橋付近の聖沢
 
東尾根に上がる径を脇目にトラバース道を行くと、
心細い流れをまたぐ立派な聖沢吊橋に出た。

上部で取水されている事もあり、
段差の中に水溜りが点在するといった感じであった。
 
 
吊橋の麓で一服した後、急坂の登りにかかる。
足元を見ながら1歩1歩歩んでいくと、
アケビの皮が落ちていた。

更に歩を進めていくと、
今度は黄緑色の木の実が落ちており、
「サルナシだ♪」
と声を出すと同時に口に放りこむ。

Mさんが「えっ?サルナシ?」と振り返った時には、
もう既に果肉を吸った後だった。
 
サルナシがどういうものなのか?
見る機会を逸したMさんは、しばし残念がっていた。

 
 
倒木のウロの中に見える
「ヒメスズメバチの巣」の横を静かに通過し、
一層傾斜を増した山肌を上がって行く。
 
ジグザグの登山道は、
緩過ぎず急でもなく絶妙な角度で山肌に切られている。
脇に節くれた古木等を見ながら上がっていくと、
間もなく潰れた架線小屋のある平に出た。
 
木漏れ日に何だか嬉しくなる。
この時期の山歩きは、
「天候」に左右される部分が大きい。
腰を下ろしてパンを食べ、
喉をうるおしたら再び歩き始めた。 
 


架線小屋跡

見晴台からの展望
樹林の中の、
ふかふかの腐葉土と木の根
で作られた階段を踏みしめて上がっていく。
 
道が尾根の脇に回るようになると、
我々よりも僅かに高い木の中を歩む様になり、
木の枝葉を分けつつ、開けた空の下を進む。

 
 

ラジオラリア(赤岩) 
 
 
対岸の東尾根の山肌を望むと、
ガレの中にラジオラリアの岩盤が露出していた。

いつの間にか滝見台を通り過ぎ、
一汗かけば、遭難碑のある見晴台に辿りついた。
見下ろせば聖沢の水線。
雨不足の影響か?
取水提の上も細い流れであった。

 
 
 
まもなく聖沢源流部の二俣に辿りついた。

まだ時間があったので、
聖平の小屋へ入る前に右俣を散策してみる。

針葉樹の高原を流れる右俣は、
河原も川底もラジオラリア粘岩で赤!赤!赤!
独特の雰囲気を持った美しい沢でした。

のんびりしていたいけど、
そろそろ晩飯と宿が心配になってきた。

後ろ髪を引かれつつ沢に別れを告げ、
林に入り左俣沿いの登山道へと戻る。

木立の向こうに赤い屋根が見えてきた。
今夜の宿、聖平小屋だ。

小屋には既に先客がおり、
挨拶を済ませ、水場にビールを沈め、
早速晩飯の準備にとりかかった。
 
 

聖沢右俣

BGM:エーゲ海の真珠
 
ここでMさんの新兵器の登場。
登山ショップで買ったという、
「御飯が上手に炊ける袋」のお出ましである。

袋に、適量の「洗っていない生米」を入れて
串で封をし、コッフェルのお湯の中に沈める。
あとは、説明書の時間通りに煮て蒸らしたら完成。
出来あがった御飯は、
芯の無い美味しい炊上がりでした。
 
 
チラシ寿司やら味噌汁をこしらえ、
ビールのお供を広げたら乾杯!

沢胡桃が、焼酎をビールで割る「ビー酎」を飲んでいたら、
Mさんも「ホッピーみたいだね」と同じ様に飲み始めた。
これが、なかなかイケルのである。

キャンプ歴の長いMさんの、
様々な工夫の話に感心しながら、
山のご馳走に舌鼓を打つ。

翌朝の段取りを確認して、
程好いところでシュラフに潜り込んだ。

軽量化の為に夏用羽毛シュラフを持って来たので、
羽毛ベストとカッパを着込みシュラフにもぐった後、
ザックに足を突っ込んで眠りについた。

明日は、いよいよ麗峰聖岳である。。。
 
 
 
TOP  2日目
 

 
 

 
 
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