平成14年7月 荒川三山〜赤石岳 【一日目】
 
 
梅雨が明け、暑い日が続く。
そんな折、突然3連休をもらえる事になった。

子どもは夏休み。
本当なら、子ども達を遊びに連れて行って
あげなければならないんだけど・・・

実は、夏休み直前の週末に、
お望みの場所に連れて行ってあげたばかりなのだ♪

と言う訳で、この連休は「どこかの山」へ行く事にした(計画犯)
 

ライチョウの家族
 



暗闇の中、急ぎ朝食を腹へとかき込む。

午前4時35分、辺りが薄明るくなってきたので、大井川源流の「二軒小屋ロッジ前」を出発する。

ゆんべは1時間しか眠れず、昨夜から「ノドの調子」がおかしい。
風邪をひいたのか呼吸も苦しく、頬骨の奥と頭も痛い。

「大丈夫かな?」何だか心細くなってきたけど、
「いよいよダメになったら、一泊目のテン場でゴロゴロして帰ればいい」と、歩いて行く事にする。
ザックを背負って上流を目指し、中部電力の「巡視路」をトボトボ歩いて行く。

「田代ダム」の脇を通り、大井川支流の「西俣・東俣の出会い」付近の分岐を、西俣方面に進む。
途中で極度に疲れたり、調子が悪くなったりしないようにと、ウォームアップのつもりで「のんびり」と歩く。


間もなく、二軒小屋発電所の先で、崩落により「巡視路」は通行止。
ストンと「切れ落ちた道」の山側を巻き、そこから先は、荒れに荒れた道を行く。
脇沢が押し出した「大量の土砂」を越えたり、「切れ落ちた道」を下降したりへずったり。

道の脇の西俣沢は、水量は少ないものの流れの音が涼しげだ。
空を見ると雲一つ無い青空。
日が出て暑くなるまでに林道終点に着けば良いなぁと、はかどらない足取りでトボトボと歩く。
  
 
巡視路の終点「慣合(なれあい)」にある「西俣取水堤」に着いた。
結局、以前2時間で歩いた道を、3時間かけて歩いたことになる。

堤体の脇を通ってダムの上に出る。
奥へ続いているはずの踏跡が崩落で無くなっている。
そこから、河床に下りる。

慣合は、中俣沢と小西俣が出会い、西俣沢となって流れ下る場所。
そこからは、小西俣を遡行する事となる。

流れを渡ったり、踏跡を辿ったりしてトボトボと沢を上がっていく。
 
 

 
  

 
 
渇水でどうかなと思っていたけど、本線には、まぁまぁの水がある。
冷たく清らな流れは、すぐに下界の暑さを忘れさせてくれた。
川岸には、様々な花が咲いている。
夏の山はいいなぁ♪
   
 
左岸から入る上岳沢を通過し、2m程の段差を越えると、
右岸から滝となって小西俣に流入する「大滝沢」が出合う。
大滝沢出会いの、すぐ上の河原でザックを下ろす。
元気がなく、何だか疲れ気味だ。
昼食のソーメンを食べたら、岩の間で1時間昼寝をした。
 

小西俣・中流域

大滝沢
 
昼寝をしている間、やたらと蝿がたかってきた。
オレは死体じゃないぞ(苦笑)
もっと寝ていたかったけど、重い腰を上げた。
  

瀬戸沢

小西俣・瀬戸沢出会い上
 
トボトボと歩いて行くと、左岸から瀬戸沢が流れ込む。
瀬戸沢を通り過ぎると、間もなく本線は二俣だ。
  

二俣直下の流れ

二俣・魚無沢と内無沢の出会い
 
懐かしい二俣に着いた。
「こ、ここで泊まろうかな?」と心が揺らぐが、魚無沢の奥を見上げると遠く森林限界上の稜線が見えた。

「明日は、あそこを歩くんだ」
そう思ったら、少しだけ元気が出てきた。
一休みの後、上流に向かって右側の内無沢へと入って行った。。
  

魚無沢の奥に稜線が見える

内無沢
 
入ってすぐの内無沢は、川幅狭く、
テンポ良く続く小渕が水を湛える渓相が続く。
ザブザブ歩いて行くと、そのうち広河原なども現れるようになる。
時々傾斜が強くなるが、まだまだ穏やかな流れが続く。
歩くにしたがって、水量が減っていくのが分かる。
   

夕日を浴びる蝙蝠尾根

もうすぐ黄蓮沢出会い
 
遠くの尾根は、まだ日が当たって明るいけれど、
内無沢は北向きなので、辺りはなんだか暗ぼったくなってきた。
水が減ってきたなぁと思っていたら、途中一つだけ大淵が現れた。
どれどれと渕の脇の岩の上に立つと、立っている岩が「すり鉢状の渕の中」へと崩れ落ちた。

ズボッ♪と言う水音と共に、当然オイラも渕の中(濡鼠)
首からぶら下げていたデジカメを、濡らさずに済んでホッとする。
防水の袋に入れておいてよかった。よかった♪ 
   

寝 床
 
ふらふらヘロヘロで、
今夜の旅篭「黄蓮沢
出会い」に到着する。

体調が悪いし寒いので、珍しく焚火をする。
寝床を作ったら、飯を炊く。
味噌汁も作り、山の幸と共に腹に収める。

もう眠い。
翌日の準備を整えたら、
とっととシュラフに潜り込む。

 



 泊まり場は沢脇の高台。
少し斜めだけど、流れの音が心地良い。

と、沢の対岸の林の中から「キャーーー!」と叫び声が聞こえてきた。

そう、夜は獣の時間なのだ。

   

 

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