平成14年8月 北岳〜間ノ岳〜塩見岳〜蝙蝠岳 【三日目】
 
 

ツエルトの中で、3日目の朝を迎える。
やはり、小屋泊より幕営の方が気を使わなくて良い。
あまりの気楽さに寝過ぎてしまった。
今日は、乗越沢を熊の平へ上がり、塩見岳直下の雪投沢源頭で泊まる事にした。
 


荷物をまとめ、乗越沢に入る。
右岸高台の道を拾って上がっていく。
途中、脇沢の水を飲む。
ん?飲んでいる水たまりの底に、小豆大の
緑色の塊が数粒ある。
マリモみたい?指で突つくとプヨプヨしている?
・・・・・・・・・・・・・・。

動物の糞だった(悲劇)



気を取り直して先へ進む。
しばらく先で、沢を離れて右岸の細尾根を上がる事にした。
熊の平小屋南側の縦走路に出るつもりだった。

しかし、あと標高で100〜150mも上がれば
路に出るだろうと思っていたところ、樹林帯が変わって薮になり、
大きいザックが引っ掛かって前に進めなくなった。
若木と細枝がもつれた薮で「こりゃかなわん」と、
少し下って横に行き、乗越沢に降りる。

で、今度は乗越沢本線より1本三国平寄りの支沢に入る。
急勾配の沢を上がる。

しばらく這い上がって一休み。
尾根の向こうに、熊の平小屋が見えた。


こりゃかなわんと空を見上げる
熊ノ平小屋の赤い屋根
熊の平小屋の赤い屋根

もうすぐ稜線?
 

再び這い上がっていくと、
空が広がりハイマツが出てきた。


稜線はもう少し先かと思っていると
突然縦走路に飛び出した。

そこは、井川越よりも
若干三峰岳寄りに位置する場所だった。
三国平〜井川越間の登山道
縦走路に飛び出した
塩見岳
ガスの向こうに塩見岳が見える


井川越まで歩き、
三峰川支流大横川の切れ込みを望む。
野呂川越に至る枝沢の切れ込みも見える。
南アには、面白そうな場所が沢山ある。

熊の平の水場で水5Lを補給後、
熊の平小屋に立ち寄る。

大井川の対岸を見ると、
正面の高峰が大迫力で迫る
西農鳥岳が、こんなに格好良い山だとは
知らなかった。

テラスで、熊の平小屋のご主人と歓談。
山歩きの考え方の違いに衝撃を受けた。
良い話を聞く事が出来て嬉しかった。
ご主人の激励を受けて出発する。

樹林帯の中の道を行く。
この日すれ違ったのはただ一人。
本当に静かだ。
遠く仙丈岳
仙丈岳・大横川枝沢
間ノ岳と大井川源頭
間ノ岳と三国沢(大井川)源頭
熊ノ平小屋の南側の登山道
お花畑の中を行く
安倍荒倉岳の三角点
安倍荒倉岳
登山道
枝をかき分けて歩く

展望に恵まれ、楽しい尾根歩きが続く。

途中、脇の踏跡を上がると三角点があった。
何も書いてなかったが、たぶん安倍荒倉岳?



縦走路に復帰し、下を見ながら歩いていると、
路の真ん中にフレッシュな黒い糞が転がっていた。

おやっ?と思い、正面を見ると、
10m程前で、大きな動物が路をふさいでいた。
路の脇に頭を突っ込んでいる。
横にも肉付きが良くて丸々とし、
背の高さは私の胸くらいで本当に大きい。
腹の下端が地面スレスレだった。

仕方がないので、
回れ右をして来た路を戻り食事にした。
15分位して見に行ったらまだ居た。
結局、1時間もロスしてしまった。
  
野生動物
路をふさぐ動物
新蛇抜山
新蛇抜山
対岸滝ノ沢の眺めが良い岩峰
岩峰から北荒川岳を望む

不思議な網目模様の岩
 
急ぎ歩いて行くと、
新蛇抜山北側の岩峰に出た。

対岸の大井川滝ノ沢が、
5段の滝を落して東俣に流入している。

時間が気になって慌てていたのか、
岩峰の先で道を間違えた時に、
こいだハイマツが目を払い、
眼球の表面を薄く切ってしまった。
(下山後通院して判明)



通称「どろの木」に下る分岐を通過し、
新蛇抜山の脇を巻く。



道中、網目だけが侵食されずに
浮彫みたいになっている不思議な岩を見つけた。
近くにはリッパなキノコが生えていた。

キノコ
妖茸・ゴケゴロシ?(違)
大井川東俣
大井川東俣



北荒川岳の
登りにかかる手前のガレ縁に立つと、
池ノ沢出合い・静か平辺りの
大井川東俣が良く見渡せた。



一旦、尾根の西を巻いた跡は、
稜線に忠実に、一直線に
北荒川山頂に向けて登っていく。
胸突く急勾配も、ここまで一直線だと
逆に登るのが楽しい!




北荒川岳山頂に着くと目の前は大崩落。
猛烈にガスり、風がビュービュー吹いている。
「水場汚染されています」の書き込みの脇を、
前のめりになって進んで行く。

なだらかなハイマツの岡をいくつか越えると、
雪投沢源頭に到着した。

接近しつつある台風の影響で、
何せ風が強い。

ハイマツを風除けにしてツエルトを張り、
中でパックのご飯を温める。

北荒川岳山頂
北荒川山頂(上のハイマツの切れ目が登山道)
 
とりあえず、ビールで威勢をつける。
ご飯にハンバーグを乗せて、
タイ風レトルトカレーをかける♪

うっ!
辛くて酸っぱくて臭みがキツくてまずい!

雨が降ってきた。
ツエルトが風にバタンバタン煽られて
潰されそうな中、気象通報を聞いたりしながら、
まんじりとしない一夜を過ごした。
 

狭いながらも、なんとやら?
 
  
 
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