平成14年8月 北岳〜間ノ岳〜塩見岳〜蝙蝠岳 【二日目】
 
  
稜線の夜明け


山荘では、夜中に数回起された。

気持ち良く眠っていると、
何故か隣人が突っついてくるのだ。。。

朝の3:30になっても周りは静か。
つーか、私の周りで寝ていたはずの布団組の人達が居ない。
遠くに移動している。

どうやら私のイビキがうるさかったらしい。
隣人に突っつかれた理由も明らかになった(苦笑)



静かに荷物を通路に運び出し、
朝食のオールレーズンを腹に収め、
ザックのパッキングを行う。


外はビュービュー風が吹いている。
天気は良い。
「歩き始めれば温かくなるだろう」と外に飛び出す。
 

北岳山荘から望む日の出直前の富士山

まずは中白根を目指す

朝日を浴びて中白根を登る登山者

ピンクに染まる仙丈岳

中白根山頂




間もなく朝日が差してきた。

こっちも高度を上げている為か?
立ち止まって見るたびに
太陽が高くなっている。









振り返ると、朝日を受けた仙丈の頂が
ピンクに染まっていた。

この頃には 、すでに体も暖まり、
中白根を目指し、登り坂を楽しんだ。







中白根山頂直下では、他の登山者は
山頂を通らずに巻き道を進んで行った。


3000m峰中白根山々頂に着いた。
間ノ岳・仙丈・甲斐駒・北岳をずらり並べた
贅沢な眺めを目に焼き付けた。

それにしても、真横から望む仙塩尾根の長い事。

上空には月。
「よう来たな」と歓迎してくれた。

 
中白根の先で、
地形図で気になっていた
野呂川右俣のルートを確認していると、
「キャンバス+30kgはあるであろうザック」
を背負った、若くて美人の女性登山者が
「右俣には登山道(跡)があるそうです」
と教えてくれた。

親切な情報に感謝し、
横目に見えない右俣の道を探しつつ
間ノ岳を目指す。

岩場を通り、緩やかな勾配を上がっていくと、
少し先から大勢の笑い声が聞こえてきた。
そこが標高3189m
静岡県の最北端・間ノ岳山頂であった。

周りを見れば、古くてそれなりの女性登山者をはじめ、
既に大勢の登山者達がおり、山頂のあちこちから
笑い声が聞こえてきた。

山頂を示す看板の前には記念撮影の先客がいた。
とりあえず仙塩尾根を撮影しようと思い、
北北西にカメラを向けると、
横から「ブビッ♪」と妙な音がした。

ハッとして見ると、50歳過ぎのおじさんが、
「ムフフ・・・素晴らしいシャッター音だ♪」
と、したり顔でビールを飲んでいた。

山頂の笑い声の原因がわかった瞬間だった。

山頂の看板の前では、
「祝・100名山完登」の垂れ幕を高々と掲げたおばさんと、
「祝・初名山」の垂れ幕を胸元に広げたおばさんが、
それぞれ記念撮影をしていた。


中白根から望む間ノ岳

屁のシャッター音(仙塩尾根・仙丈岳)

間ノ岳から南方を望む (農鳥岳・西農鳥岳・塩見岳)

三国平

農鳥岳・西農鳥岳(手前が船窪状の稜線)
 
間ノ岳からは、
明日辿る、塩見岳への稜線を望んだ。

存分に展望を楽しみ、
三峰岳へ続く尾根を途中まで散策した後、
農鳥小屋を目指して下降する。


しばらく下ると、稜線は複雑な船窪状になる。
はるか昔、間ノ岳の断層がずれて
間ノ岳自身が沈み込んだ跡だとか。

本当か?否か?
間ノ岳が答える事はない。

間もなく、間ノ岳南面カールを横断する道、
つまり三国平へのトラバース道との
分岐点に到着した。


2年前の話しになるが、
ここから南の稜線を、農鳥岳を越えて
広河内岳まで縦走した事がある。
今回は、北岳・間ノ岳を越えて、
これより北の稜線を歩いて来た。
そう、白根三山縦走コースを、
2年がかりで、ようやく踏破したのだ。

おめでとう、おれ♪(照笑)




とりあえず分岐に ザックをデポし、
農鳥小屋に向かう。

小屋の外で、ご主人に挨拶し、
私の今回のコースや、山の事などを少しだけ話し、
またの再開を約束して往路を戻った。



農鳥沢源頭 (間ノ岳沢)



デポした場所から農鳥沢へ降り、
瓦礫が波打ち、ハイマツが点在する農鳥沢を下る。

水流が現れたらソーメンで一休み。
ツユに酢と潰した梅干を入れるのがミソ。
リンゴや海藻サラダで元気をつけたら、再び出発!


農鳥小屋

ジャーン!大井川登場

三国沢を下る
  

足取り軽くといきたい所だが、
登山靴での下降は、靴底が滑るのでヨレヨレである。

途中までは
靴の中を濡らさぬ様に下っていたが、
そのうちに、バシャバシャと水に浸かって
歩くようになる。

渇水のため、
沢底は腐ったコケが多い。
うかつに乗ったら瞬時に転倒である。

三国沢との出合いに着いた。
乗越沢出合いが目的地なのでアッサリと通過する。
右へ左へ渡り返し、転倒に気をつけつつ
三国沢をグングン下る。

バランスをとりながらの歩きに疲れた頃、
今夜のテン場、標高2260m
乗越沢出合いに着いた。
 

ツエルトを張って飯を炊く。
沢で冷やしたビールを飲んだら上機嫌♪
今夜も天気は良さそうだ。

シュラフにもぐると沢の音だけが聞こえてくる。
求めても得られない極上の寝床である。
 
 
TOP  3日目
 

 
 

 
 
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送