稜線の夜明け |
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山荘では、夜中に数回起された。 気持ち良く眠っていると、 何故か隣人が突っついてくるのだ。。。 朝の3:30になっても周りは静か。 つーか、私の周りで寝ていたはずの布団組の人達が居ない。 遠くに移動している。 どうやら私のイビキがうるさかったらしい。 隣人に突っつかれた理由も明らかになった(苦笑) 静かに荷物を通路に運び出し、 朝食のオールレーズンを腹に収め、 ザックのパッキングを行う。 外はビュービュー風が吹いている。 天気は良い。 「歩き始めれば温かくなるだろう」と外に飛び出す。 |
北岳山荘から望む日の出直前の富士山 まずは中白根を目指す |
朝日を浴びて中白根を登る登山者 ピンクに染まる仙丈岳 中白根山頂 |
間もなく朝日が差してきた。 こっちも高度を上げている為か? 立ち止まって見るたびに 太陽が高くなっている。 振り返ると、朝日を受けた仙丈の頂が ピンクに染まっていた。 この頃には 、すでに体も暖まり、 中白根を目指し、登り坂を楽しんだ。 中白根山頂直下では、他の登山者は 山頂を通らずに巻き道を進んで行った。 3000m峰中白根山々頂に着いた。 間ノ岳・仙丈・甲斐駒・北岳をずらり並べた 贅沢な眺めを目に焼き付けた。 それにしても、真横から望む仙塩尾根の長い事。 上空には月。 「よう来たな」と歓迎してくれた。 |
中白根の先で、 地形図で気になっていた 野呂川右俣のルートを確認していると、 「キャンバス+30kgはあるであろうザック」 を背負った、若くて美人の女性登山者が 「右俣には登山道(跡)があるそうです」 と教えてくれた。 親切な情報に感謝し、 横目に見えない右俣の道を探しつつ 間ノ岳を目指す。 岩場を通り、緩やかな勾配を上がっていくと、 少し先から大勢の笑い声が聞こえてきた。 そこが標高3189m 静岡県の最北端・間ノ岳山頂であった。 周りを見れば、古くてそれなりの女性登山者をはじめ、 既に大勢の登山者達がおり、山頂のあちこちから 笑い声が聞こえてきた。 山頂を示す看板の前には記念撮影の先客がいた。 とりあえず仙塩尾根を撮影しようと思い、 北北西にカメラを向けると、 横から「ブビッ♪」と妙な音がした。 ハッとして見ると、50歳過ぎのおじさんが、 「ムフフ・・・素晴らしいシャッター音だ♪」 と、したり顔でビールを飲んでいた。 山頂の笑い声の原因がわかった瞬間だった。 山頂の看板の前では、 「祝・100名山完登」の垂れ幕を高々と掲げたおばさんと、 「祝・初名山」の垂れ幕を胸元に広げたおばさんが、 それぞれ記念撮影をしていた。 |
中白根から望む間ノ岳 屁のシャッター音(仙塩尾根・仙丈岳) |
間ノ岳から南方を望む (農鳥岳・西農鳥岳・塩見岳) |
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三国平 農鳥岳・西農鳥岳(手前が船窪状の稜線) |
間ノ岳からは、 明日辿る、塩見岳への稜線を望んだ。 存分に展望を楽しみ、 三峰岳へ続く尾根を途中まで散策した後、 農鳥小屋を目指して下降する。 しばらく下ると、稜線は複雑な船窪状になる。 はるか昔、間ノ岳の断層がずれて 間ノ岳自身が沈み込んだ跡だとか。 本当か?否か? 間ノ岳が答える事はない。 間もなく、間ノ岳南面カールを横断する道、 つまり三国平へのトラバース道との 分岐点に到着した。 2年前の話しになるが、 ここから南の稜線を、農鳥岳を越えて 広河内岳まで縦走した事がある。 今回は、北岳・間ノ岳を越えて、 これより北の稜線を歩いて来た。 そう、白根三山縦走コースを、 2年がかりで、ようやく踏破したのだ。 おめでとう、おれ♪(照笑) |
とりあえず分岐に ザックをデポし、 農鳥小屋に向かう。 小屋の外で、ご主人に挨拶し、 私の今回のコースや、山の事などを少しだけ話し、 またの再開を約束して往路を戻った。 農鳥沢源頭 (間ノ岳沢) デポした場所から農鳥沢へ降り、 瓦礫が波打ち、ハイマツが点在する農鳥沢を下る。 水流が現れたらソーメンで一休み。 ツユに酢と潰した梅干を入れるのがミソ。 リンゴや海藻サラダで元気をつけたら、再び出発! |
農鳥小屋 ジャーン!大井川登場 |
三国沢を下る |
足取り軽くといきたい所だが、 登山靴での下降は、靴底が滑るのでヨレヨレである。 途中までは 靴の中を濡らさぬ様に下っていたが、 そのうちに、バシャバシャと水に浸かって 歩くようになる。 渇水のため、 沢底は腐ったコケが多い。 うかつに乗ったら瞬時に転倒である。 三国沢との出合いに着いた。 乗越沢出合いが目的地なのでアッサリと通過する。 右へ左へ渡り返し、転倒に気をつけつつ 三国沢をグングン下る。 バランスをとりながらの歩きに疲れた頃、 今夜のテン場、標高2260m 乗越沢出合いに着いた。 |
ツエルトを張って飯を炊く。 沢で冷やしたビールを飲んだら上機嫌♪ 今夜も天気は良さそうだ。 シュラフにもぐると沢の音だけが聞こえてくる。 求めても得られない極上の寝床である。 |
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