平成15年8月 大井川水系・聖沢 【日帰り】
 
 
今回は、馴染みのTさんと沢を散策する。
 
入山前夜の登山口。
満天の星空の下、肉を焼き焼き酒を飲む。
グイッとあおって見上げれば、火星が明るく輝いている。
明日の天気は良さそうだ。
 
 
翌朝、薄明るくなってきた頃起きる。
オレンジジュースとパンで朝食を摂ったら出発する。
 
入山してすぐ、後ろから「チリンチリン」と
熊追いの音が近づいて来た。
後続者だ。
追いつかれない様に、ペースを保ち淡々と坂を登る。
急坂を登り切ったら、若干トラバースして
出会所小屋跡に差しかかる。
 
と、目の前の樹の上から、ガサゴソ音がした。
仰ぎ見た枝葉の中から熊が現れた。
熊は「スルスル・・ドテッ!」と木の幹を下り(落ち?)、
沢の方へと逃げて行った。
 
 Tさんは『熊と目が合った。」
「凄く驚いた顔をしていた』と喜んでいた。
  

登山道

 
途中小休憩をとり、ラジオラリアが
点在する河床に立つ。
 
切り立った両壁の間を、
吹き降ろしの強風が抜けていく。
 
若干赤く色づいている葉っぱが、
本格的な秋が、そこまで来ている事を
告げていた。
 
 
 
 
エメラルドグリーンの水を湛えた深淵が次々に現れ、、
家ほどの大きさの岩がゴロゴロしている渓相。
 
細長い空は曇り気味ながら、時折暖かな陽光が差し込む。
岩を乗越えている時、滑って手をついた時に腕時計を打ちつけてしまった。
暫くして、時計が止まっている事に気付いた。
 

大 岩

色づき始めている
 
散策を楽しみ、腹時計がお昼を告げたので河原でラーメンを作る。
山の幸も入った特製ラーメンだ。
その頃、少し雨がパラパラしたがすぐに持ちなおした。
 
 
帰りは、角度の立ったガレを上がる。
 
誤って落ちれば、
最後は4m程の垂壁から投げ出され、
河床に叩きつけられる場所なので
慎重且つ迅速に登る。
 
尾根筋に出て下って行くと、
少し下の方で「バキバキ」と
木の枝が折れる音に続きドスンと音がした。
 
Tさんと顔を見合わせていると、
更に「クォンクォン、グハー」と鳴き声が聞こえてきた。
  
私も負けじと鳴いてみると、再び森に静寂が訪れた。
 
 

階段状の流れ
 
下山した頃には暗くなっていた。
空には月が光り、星が瞬いている。
「今夜もここで飲みたいなー。」
 
そんな独り言を、Tさんに聞かれて恥ずかしかった。
 


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