平成14年11月 大日山 【日帰り】                          
                                                                     
 大日山は、静岡県の周智郡森町と榛原郡川根町との境にある。
 山の中腹には東海自然歩道が通っており、また、上部まで車道がありアプローチは楽だ。
 今回は、地元のYさん達とこの山を歩く。
 金剛院という寺社近くに車を止め、山の裏まで林道を歩き、登山道とは違う作業道を上がる。
 10年ほど前には使われていたが、現在は放置されている道だ。
 グングン上がって行くと見晴らしの良い場所に差し掛かる。
 遠くに大きな建築物が見える。
 特徴的な形と観客席の屋根から、静岡スタジアム・エコパだと判る。
 更に上がって行くと道が消えてしまう。
 尾根沿いに上を目指す。
 藪を分け分け進んでいくと、突然金剛院近くから延びてくる登山道に飛び出した。
 勾配が緩やかな登山道を歩いていくと、再び上りになる。
 登り切ったコブの頭に祠がある。
 祠に手を合わせ、もう少し先の山頂を目指す。
 登り切った場所はなだらかな丘となっており、最高点に立つ標識が山頂であることを教えてくれる。
 山頂周辺の林の中をしばらく歩いた後、下山する事にした。
 来た道を戻り、途中、登って来る時に登山道に合流した地点よりも少し先で再び脇に入る。
 今度は違う尾根を降りるのだ。
 すぐに辺りは笹の密生した藪となり、2m先を歩いているはずの人の姿も見えない。
 ザッザッザザザと藪をかき分け、尾根を外れないように下へ下へと下る。
 そのうち、下に林道が見えてきた。
 林道に出たら、そのまま車を目指した。
 
 車に戻って昼飯を食べる。
 お茶を飲んで少し休んだら出発する。
 今度は登山道で山頂を目指すのだ。
 登山口から急坂をグングン上がる。
 結構な坂だけど、Yさん達は息も乱さずスタスタ登っていく。
 健脚だ。
 私も、離されないよう頑張ってついていく。
 祠まで30分で辿り着いた。
 そして、再び山頂に立つ。
 山頂を通り過ぎ、尚も反対側を下っていく山道を辿る。
 下っていくと作業小屋がある。
 更に進んでいくと、直進とスイッチバックの道とに分かれる二俣に差し掛かる。
 スイッチバックする方に入り、途中紛らわしい支路があるものの見当をつけて下っていく。
 選んだ道は正解だった。
 道は林道へとつながっていた。
 後は、車を目指し2時間強スタスタ歩く。
 尾根を歩きとは違い、迂回する林道は結構時間がかかる。
 車の手前で車道に出る。
 風が強い、白いものも舞っている。
 道の脇には祠があり【風の宮】と呼ばれているという。
 おそらく、昔から遠州の空っ風が、駿河へと抜けていく通り道なのだろう。
 
 
 
 
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 平成14年8月 赤窪沢 【日帰り】
   
 天竜川水系水窪川の支流の源流に、赤窪沢という沢がある。
 果たして、沢名に『赤』という字が付く理由は何か?
 気になって気になって仕方がないので、実家に家族を放っておき、
 こっそり抜け出して見に行くことにした。
 天気が悪い。
 今にも泣き出しそうな空の下、車を広い場所に置いて民家の脇を抜けて道を行く。
 沢に立つと、のっけから砂防堤だ。
 砂防堤の上に出ると、ザーザー雨が降ってきた。
 濡れた草を掻き分けながら、またも砂防堤を上がる。
 時々小さな魚が走る。
 枝に釣りの仕掛けが絡まっている。
 この小さな沢に、釣りの相手になるような魚はいるのかな?
 雨は益々強くなる。
 周りをキョロキョロしながら歩いていると、沢床に朱色の岩が見える。
 この岩が沢名の由来かな?
 大井川支流赤石沢の赤石(ラジオラリア)に比べると、やさしい色合いの赤石だ。
 朱色というか、赤っぽい橙色というか。
 登って行くと、やはり赤石があちこちにある。
 又、砂防堤が現れた。
 雨脚は一向に弱まらない。
 ここで、下る事にした。
 
 
 
 
 
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 平成14年7月 横窪峠 【1日目
 
 大井川畑薙第一ダム右岸から、『上河内沢』が差し込んでいる。
 上河内沢沿いには茶臼岳に至る登山道がある。
 今回は、この登山道をHさんと辿り、途中の横窪沢小屋まで遊びに行く計画だ。
 
 県道は、崩落の危険により畑薙第一ダム手前で通行止めとなっている。
 通行止め手前の広場に車を止め、二人でトボトボと車道を歩き始める。
 正面に見える南アルプスの山々をネタに話がはずむ。
 空気が美味しく、足取りも軽い♪
 
 途中、Tさんという年輩の男性が自転車で追いついてきた。
 たまたま車止めで言葉を交わしたおじさんだけど、これも縁というもの。
 Tさんとは、途中までご一緒する事となる。
 
 迫力ある畑薙大吊橋を渡り、急坂を登って行く。
 予めHさんに「ゆっくり行ってください」とお願いし、休みを入れながらゆっくりと行く。
 私のペースに無理やり合わせていただき、申し訳ないなと思いつつ登.っていく。
 間もなく「ヤレヤレ峠」に辿りつく。
 椅子に腰掛けて休み、「ヤレヤレ峠」の看板の前で写真を撮ったら沢を目指して下って行く。
 
 いつしか道は沢沿いになり、美しい渓谷を眺めながら吊り橋を渡る。
 途中、どっかりと腰を下ろして朝飯を摂る。
 Hさんはダイナミックに冷し中華を食っている!
 腹を満たして少し休んだら出発する。
 3つ目の吊り橋を渡り、坂を上がると「ウソッコ沢小屋」が建っている。
 
 私は疲れ気味、Hさんは寝不足なので、ここで一時間ほど昼寝する。
 ていうか、Hさんが私に気を使ってくれたようだ。
 小屋の外で横になる。
 日向の草地を、黒い羽虫がブンブン飛んでいる。
 それを眺めながらゴロゴロする。
 滝の音も聞こえてきて良い場所だ。
 
 背中が地面に馴染みきった頃ザックを背負う。
 滝と大釜を見下ろしながら吊り橋を渡り、横窪峠手前の急坂に取り付く。
 急な階段を上がり、一旦平らな場所に出た後はジグザグに切られた登り坂になる。
 
 しばらく歩いた所で水を汲み忘れた事に気づく。
 登り始めは順調であったが、喉が乾くにつれ体が重くなる。
 やむなくペースダウンし、そのうちに休み休みの登りとなる。
 日ごろの運動不足もあるのだろう。
 段々と体が動かなくなる。
 ここでHさんには先を行ってもらう。

 もう少し、もう少しと言い聞かせつつ、出ない脚を前に出す。
 『中の段』という場所を過ぎた所で、渇きに我慢ができず、
 水の代わりに?ビールを飲む。
 喉が乾いているので一気に飲み干す♪

 変わらず休み休み上がっていくと、Hさんが座って待っていてくれた。
 横に腰掛けて休憩をとる。
 「もう少しだよ」と励まされて出発する。
 ゆっくり歩いていくと道は下り階段となり、木々の向こうにチラチラと横窪小屋の屋根が見えてきた。
 下りきった所は、小屋手前を流れる、上河内沢の支流横窪沢だった。

 流れの脇にザックをおろし、冷たい沢水にビールを沈める。
 Hさんが「そうめん」をこしらえている。
 食べ物が並んだら「ヤァヤァ、どうもどうも♪」などと、意味の無いことを言いながらビールで乾杯。

 Hさんが、友人の家の秘伝?のそうめんつけ汁を作ってくれた。
 『そうめんのつけ汁に、細く切ったキュウリ・細かく切ったトマトを入れるのが良い』そうな。
 ふぅ〜んと言いつつ、秘伝のつけ汁でそうめんを食べる。
 なるほど美味しい!
 沢そうめんは何よりのごちそうだと思っていたが、これは格別である♪
 
 気の済むまで食べたら横窪小屋に入る。
 荷物を置いたら散策に出る。
 横窪沢を下って行くと、上河内沢の本線に出た。
 沢の水は青く澄み、所々に深淵を据えながら駆け下っている。
 上流に歩いていくと二俣となる。
 左が本線、右が支流の横沢である。

 横沢に入ってみると、小屋が建っている。
 山林管理?猟師?
 何の小屋かは分からないけれど、釣具もあり現在も使われている様子だ。
 小屋周辺の浅い流れはゴミだらけ。
 ビール缶やビニール等のゴミが散乱している。
 
 再び本線に戻り、しばらく散策したら横窪小屋に戻る。
 飯を炊き、ツマミを並べて酒を飲む。
 今夜の泊り客は、我々と、所狭しと跳ね回っている『無数のカマドウマ』である。
 カマドウマは我々のツマミにも飛び込み『同じ釜の飯を食った仲』となる。

 この小屋には『夜中に子どもの笑い声が聞こえる』という噂がある。
 もし居るのならば、我々(含むカマドウマ) + 子どものお化け が一夜を共にする事となる。
 Hさんと色んな話で盛り上がるが、焼酎が効いてヘロヘロになる。
 疲れたので、程よい所でシュラフに入る。
 その頃から、雨がパラパラとトタン屋根を打ち鳴らすようになる。
 
 横窪峠 【2日目】
 
 夜中に『ダーーーーー!』という轟音で目を覚ます。
 『元気ですかー!』と飛び起きる(冗談)
 夜半から『普通の雨』が豪雨に変わり、雨音がダーーと聞こえるのだ。
 しかし、辺りは真っ暗。
 どうしようもないので眠る事とする。
 
 さて薄明るくなってきた。
 小屋の窓から外の様子をうかがうと、雨粒がカーテンとなって沢の対岸が見えない。
 
 
 往路を下る事とするが、まずは腹ごしらえと特製ラーメンを作る。
 パッキングを終えた頃、昨日知り合ったTさんが小屋に飛び込んできた。
 「茶臼小屋のテン場に泊まったら、夜中にテントが吹き飛ばされそうになったよ。」との事であった。
 3人で一緒に下る事とする。
 
 昨日ビールを冷やした横窪沢の清流も、すでに茶褐色の激流に変貌していた。
 岩から染み出す涌き水だけは変わらず透明であり、喉を潤したら水筒に汲む。
 鉄階段や平滑な岩の上では、滑らないよう慎重に歩く。
 吊り橋から下の激流をのぞき、「ここから落ちたら一瞬でバラバラになりそうだな」とゾッとする。
 畑薙大吊橋を渡り、林道入口の沼平ゲートまで30分歩く。
 ゲート脇のガレ沢が土砂を押し出し、見る間に『早送りの様に積み上がっていく』土砂を、
 Hさんが物珍しげに眺めている。
 
 車止めに戻ると、途中から自転車で先行したTさんは先に着いていた。
 「お世話になりました」と挨拶を交わし、Tさんは間もなく出発した。
 我々も、車に荷を積み込み遅れて出発する。

 道路脇の沢が、だいぶ土砂を押し出している。
 と思ったら、Tさんの車のタイヤが土砂に埋まり動けなくなっていた。
 上から電力会社のジムニーが下ってきた。
 お願いして牽引を試みるも、Tさんの車は引き出せなかった。
 Tさんを我々の車に乗せて出発した。
 
 少し先で、さっきのジムニーが止まっていた。
 大量の土砂が積み上がっており、これより先は行けないと言う。
 車を置いて歩いていくと言うので「ちょっと待って」と声を掛け、土砂をならして道を作った。
 肝を冷やしつつ通りすぎたら、2台並んでまずは村を目指す。
 間もなく井川の村に着き、Tさんを民宿に送り届けて我々は下ることとした。

 だいぶ下った所で道は完全に断たれていた。
 必要な荷物を背負い、歩きやすい道を数時間歩き迎えの車に拾われて帰宅した。
 
 
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