平成14年10月 山犬段〜板取山〜天水〜沢口山〜寸又峡 【日帰り】
 
 
今回は、寸又峡温泉奥の大間川に沿って延びる【蕎麦粒山〜寸又峡温泉】間の稜線を辿る。

実は、一昨年に様子を調べておいたものの、
交通上の都合により、なかなか実現しなかったコースである。
Kさんに相談したら「行きましょう」と返事をいただき、同行していただける事となった。
  

山犬段小屋

入 山 口
 
Kさんとは、未明に寸又峡温泉で待ち合わせた。
合流後、Kさんの車を駐車場に残し、私の車に同乗して山犬段に向かった。
 
入山口の山犬段に着く頃には、辺りが明るくなっていた。
車を山犬段の小屋脇に止めると早速出発する。

道は、広い刈り払いになっており、
落ち葉を踏みしめ、辺りの樹木を観察しながら軽快に進む。
静岡大学の演習小屋の脇を通り、
八丁の頭への「登りコース」と、登り坂を回避する「トラバースコース」の分岐を
登りコースへと入り、階段の登り坂を進む。
  

八丁の頭への登り

八丁の頭
 
一つ手前のピークを「八丁の頭」と間違え、
???と思いつつも写真を撮る。
出発した次のピークが、標高1562m・八丁の頭だった。
展望台に向かう脇道へを見つけたので入ってみる。
しかし、展望台へ到着する前に「ガスがかかり展望が無い」と察し引き返す。

八丁の頭からは、急勾配の下りとなる。
ホーキ崩を右に見ながら、崩落の為、新しく付けかえられた道を下る。
Kさんは、頻繁にホーキ崩をのぞき込んでいる。
  

広河原峠

カサカサと音をさせながら進む
 
下りきって少し行くと「広河原峠」の看板が立っていた。
そう言えば「薮漕ぎ:石間氏」の本に、大間川から広河原峠を越えて榛原川へ下る話が載っていた。
「当時は、どんな雰囲気だったのかな?」と思いつつ写真を撮る。
一休みしたら、頭上に張り出した枝葉をくぐりつつ踏み跡を進む。
 

あんたいくつ?立派な巨木

キノコ
 
倒木の上にタマゴが載っている。
よく見たらキノコだった。
踏み跡脇に、巨木が立ち並ぶ。
緩やかなアップダウンを進むと、間もなく板取山。
  

板取山々頂

大間川の向こうに前黒法師岳/板取山々頂
 
山頂に着いた直後、大間川対岸の前黒法師岳がガスに隠れた。
二人して残念がっていると、一瞬ガスが切れた。
逃さず写真を撮り、出発する。
  

青ナギ沢

展望を楽しみつつ行く
 
少し進むと、大間川支流・青ナギ沢の切れ込みが見えた。
少し山肌の向きが変わるだけで、景色は大きく変わる。
今回は展望の秋山歩き。
ここでも眺望・撮影を楽しんだ。
 

稜線をガスが覆う
 
錦繍の天蓋
 
痩せ尾根を、上に下に右に左に
絡み付くように付けられた踏み跡は、
山との一体感が得られて楽しい。

錦繍のトンネルを抜け出ると、黒法師岳が姿をあらわした。
    

トンネルを抜け出た

黒法師岳
 
黒法師岳直下には、崩落放置された南赤石幹線林道の爪痕が痛々しい。
わが母校の校歌にも黒法師岳の名が出てくる。
遠州・水窪で生まれ育った者には、何よりも馴染み深い山名なのだ。
 

天水山頂

山頂を隠す前黒法師岳/天水山頂
 
少し歩くと、左手前へ上がる脇道が現れた。
わずかに登ると、そこが標高1521m・天水の山頂だった。
縦走路からツンと突き出た頂は、あいにくのガスが展望を遮っていた。

山頂の看板が横を向いている。
看板を入れて記念写真を撮ろうにも、カメラマンが立つスペースが無いぞ(苦笑)
   

広い尾根を下る

ウツナシ峠

天水からは、赤ペンキを拾いながら、
広ーい尾根を下る。

何やら、だだっ広い所にポツネンと看板が立っている。
それが「そこがウツナシ峠である証」だった。
看板が無ければ分からないような場所だった。
 

明るい林を行く

幽 玄
 
つかみ所の無い尾根が続く。
途中、栗のイガが沢山落ちているのに気付く。
辺りを見るも、すべて空っぽ。
冬を前にした、山の動物達の大切な栄養源なのだろう。

目の前に、ハッキリとしたピークが現れた。
踏み跡は山頂を通らず南側を巻いている。
看板も何も立っていないが、名無しのわけが無いだろうと、
サクサク落ち葉を踏んで上がっていく。
山頂の脇の木に、横沢山のプレートを発見した。
   

横沢山々頂

横沢山のプレート
 
山頂からは急坂を小さく下り、横沢の頭から再び登り返す。
この辺りから、2週間前に朝日岳で捻った左膝が痛み始めた。
登り・平地は平気だけど、下りの時だけ猛烈に痛む。
 
登っている時、木の根の脇に「目玉おやじ」の様な袋状の植物を見つけた。
後ろのKさんに「何でしょうねぇ?」と聞くも知らないとの事。
Kさんが植物を素手でつまんでみた。
「パフパフッ♪」
先端から粉が噴き出した(笑)
   

沢口山へ上がっていく

目玉おやじ
 
横沢への分岐、そして寸又峡への分岐を見送ると、
寸又三山の一座、標高1425m・沢口山の山頂に到着した。
ハイキングコースが整備されているだけあって、
小屋・椅子・展望の案内板と、いたせりつくせりの山頂であった。
 

沢口山々頂

山頂のプレート
 
 ここもまた、ガスが全ての展望を奪っていた。
思うようにならないのも山。
また来る楽しみが残されたわけだ(苦笑)
 
今回も、軽量化の為に食事は全てパン。
と、Kさんが「一つどうですか?」と巻き寿司を差し出してきた。
キュウリなどが巻かれた巻き寿司に喜ぶと、「はい、これを載せて食べて」と
瓶に入った、手作りの「筋子をほぐして特製のタレに漬けたもの」を
こらしょと巻き寿司に載せてくれた。
まさか、こんな贅沢なものにありつけるとは思わなかった♪
キュウリと筋子は、よく合うのだそうな。
大変美味しゅうございました。
  

巨大ミズナラとヌタ場

イワカガミ
 
下から女性ハイカーが上がって来たので山頂を譲る。
左膝の痛みに苦しみながら、ゆっくりと下る。
巨大なミズナラやイワカガミなどの植生を楽しみ、
七ツ峰や栗代山?などの姿を確認しつつ一歩一歩下って行くと、
ゴールの寸又峡口に到着した。

温泉で汗を流し、着替えてスッキリした後
山犬段に向けて車を出発させる。
  

 
車内では、夏の山歩きやイカ釣りの話で盛り上がった。
一人静かなのもいいけれど、仲間と歩くのも、またいいものだと思った。
何よりも、Kさんのおかげで充実した秋の休日を過ごす事ができたのだ。

さっき歩いたばかりの稜線が見えてきた。
西の空が茜に染まる頃、山犬段小屋に到着した。
 
 

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