今回は、寸又峡温泉奥の大間川に沿って延びる【蕎麦粒山〜寸又峡温泉】間の稜線を辿る。 実は、一昨年に様子を調べておいたものの、 交通上の都合により、なかなか実現しなかったコースである。 Kさんに相談したら「行きましょう」と返事をいただき、同行していただける事となった。 |
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山犬段小屋 |
入 山 口 |
Kさんとは、未明に寸又峡温泉で待ち合わせた。 合流後、Kさんの車を駐車場に残し、私の車に同乗して山犬段に向かった。 入山口の山犬段に着く頃には、辺りが明るくなっていた。 車を山犬段の小屋脇に止めると早速出発する。 道は、広い刈り払いになっており、 落ち葉を踏みしめ、辺りの樹木を観察しながら軽快に進む。 静岡大学の演習小屋の脇を通り、 八丁の頭への「登りコース」と、登り坂を回避する「トラバースコース」の分岐を 登りコースへと入り、階段の登り坂を進む。 |
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八丁の頭への登り |
八丁の頭 |
一つ手前のピークを「八丁の頭」と間違え、 ???と思いつつも写真を撮る。 出発した次のピークが、標高1562m・八丁の頭だった。 展望台に向かう脇道へを見つけたので入ってみる。 しかし、展望台へ到着する前に「ガスがかかり展望が無い」と察し引き返す。 八丁の頭からは、急勾配の下りとなる。 ホーキ崩を右に見ながら、崩落の為、新しく付けかえられた道を下る。 Kさんは、頻繁にホーキ崩をのぞき込んでいる。 |
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広河原峠 |
カサカサと音をさせながら進む |
下りきって少し行くと「広河原峠」の看板が立っていた。 そう言えば「薮漕ぎ:石間氏」の本に、大間川から広河原峠を越えて榛原川へ下る話が載っていた。 「当時は、どんな雰囲気だったのかな?」と思いつつ写真を撮る。 一休みしたら、頭上に張り出した枝葉をくぐりつつ踏み跡を進む。 |
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あんたいくつ?立派な巨木 |
キノコ |
倒木の上にタマゴが載っている。 よく見たらキノコだった。 踏み跡脇に、巨木が立ち並ぶ。 緩やかなアップダウンを進むと、間もなく板取山。 |
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板取山々頂 |
大間川の向こうに前黒法師岳/板取山々頂 |
山頂に着いた直後、大間川対岸の前黒法師岳がガスに隠れた。 二人して残念がっていると、一瞬ガスが切れた。 逃さず写真を撮り、出発する。 |
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青ナギ沢 |
展望を楽しみつつ行く |
少し進むと、大間川支流・青ナギ沢の切れ込みが見えた。 少し山肌の向きが変わるだけで、景色は大きく変わる。 今回は展望の秋山歩き。 ここでも眺望・撮影を楽しんだ。 |
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稜線をガスが覆う |
錦繍の天蓋 |
痩せ尾根を、上に下に右に左に 絡み付くように付けられた踏み跡は、 山との一体感が得られて楽しい。 錦繍のトンネルを抜け出ると、黒法師岳が姿をあらわした。 |
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トンネルを抜け出た |
黒法師岳 |
黒法師岳直下には、崩落放置された南赤石幹線林道の爪痕が痛々しい。 わが母校の校歌にも黒法師岳の名が出てくる。 遠州・水窪で生まれ育った者には、何よりも馴染み深い山名なのだ。 |
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天水山頂 |
山頂を隠す前黒法師岳/天水山頂 |
少し歩くと、左手前へ上がる脇道が現れた。 わずかに登ると、そこが標高1521m・天水の山頂だった。 縦走路からツンと突き出た頂は、あいにくのガスが展望を遮っていた。 山頂の看板が横を向いている。 看板を入れて記念写真を撮ろうにも、カメラマンが立つスペースが無いぞ(苦笑) |
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広い尾根を下る |
ウツナシ峠 |
天水からは、赤ペンキを拾いながら、 広ーい尾根を下る。 何やら、だだっ広い所にポツネンと看板が立っている。 それが「そこがウツナシ峠である証」だった。 看板が無ければ分からないような場所だった。 |
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明るい林を行く |
幽 玄 |
つかみ所の無い尾根が続く。 途中、栗のイガが沢山落ちているのに気付く。 辺りを見るも、すべて空っぽ。 冬を前にした、山の動物達の大切な栄養源なのだろう。 目の前に、ハッキリとしたピークが現れた。 踏み跡は山頂を通らず南側を巻いている。 看板も何も立っていないが、名無しのわけが無いだろうと、 サクサク落ち葉を踏んで上がっていく。 山頂の脇の木に、横沢山のプレートを発見した。 |
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横沢山々頂 |
横沢山のプレート |
山頂からは急坂を小さく下り、横沢の頭から再び登り返す。 この辺りから、2週間前に朝日岳で捻った左膝が痛み始めた。 登り・平地は平気だけど、下りの時だけ猛烈に痛む。 登っている時、木の根の脇に「目玉おやじ」の様な袋状の植物を見つけた。 後ろのKさんに「何でしょうねぇ?」と聞くも知らないとの事。 Kさんが植物を素手でつまんでみた。 「パフパフッ♪」 先端から粉が噴き出した(笑) |
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沢口山へ上がっていく |
目玉おやじ |
横沢への分岐、そして寸又峡への分岐を見送ると、 寸又三山の一座、標高1425m・沢口山の山頂に到着した。 ハイキングコースが整備されているだけあって、 小屋・椅子・展望の案内板と、いたせりつくせりの山頂であった。 |
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沢口山々頂 |
山頂のプレート |
ここもまた、ガスが全ての展望を奪っていた。 思うようにならないのも山。 また来る楽しみが残されたわけだ(苦笑) 今回も、軽量化の為に食事は全てパン。 と、Kさんが「一つどうですか?」と巻き寿司を差し出してきた。 キュウリなどが巻かれた巻き寿司に喜ぶと、「はい、これを載せて食べて」と 瓶に入った、手作りの「筋子をほぐして特製のタレに漬けたもの」を こらしょと巻き寿司に載せてくれた。 まさか、こんな贅沢なものにありつけるとは思わなかった♪ キュウリと筋子は、よく合うのだそうな。 大変美味しゅうございました。 |
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巨大ミズナラとヌタ場 |
イワカガミ |
下から女性ハイカーが上がって来たので山頂を譲る。 左膝の痛みに苦しみながら、ゆっくりと下る。 巨大なミズナラやイワカガミなどの植生を楽しみ、 七ツ峰や栗代山?などの姿を確認しつつ一歩一歩下って行くと、 ゴールの寸又峡口に到着した。 温泉で汗を流し、着替えてスッキリした後 山犬段に向けて車を出発させる。 |
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車内では、夏の山歩きやイカ釣りの話で盛り上がった。 一人静かなのもいいけれど、仲間と歩くのも、またいいものだと思った。 何よりも、Kさんのおかげで充実した秋の休日を過ごす事ができたのだ。 さっき歩いたばかりの稜線が見えてきた。 西の空が茜に染まる頃、山犬段小屋に到着した。 |
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