猿並吊橋 |
「心地よい音楽が流れているなぁ♪」 なんて思いながら目を覚ます。 ・・・・・・・あっ、寝坊した! 心地よい音楽じゃなくて、目覚し時計の音だった。 急いで着替えて、車に乗る。 目指すは、静岡県の奥大井にある、 温泉で有名な寸又峡(すまたきょう)。 今日は、寸又峡を囲む「寸又三山」のうちの一つ、 朝日岳に日帰りで登る予定である。 |
最初から寝坊では先が思いやられるが、 昨日から心配していた雨は大丈夫そうだ。 コンビニで朝食と昼食を買い、 寸又峡手前の峠「兎辻(うさぎつじ)」から 朝日岳を遠望すると、 中腹より上はガスに隠れていた。 駐車場に車を止めて、 お土産屋さんに挨拶をして出発する。 坂を下って行くと、 大井川支流・寸又川にかかる「猿並吊橋」 のふもとに出た。 目の前の山の斜面を見上げながら渡る。 渡り終えると、すぐに登り坂が始まる。 ペタペタペタペタ登って行くと、 「びくに坂」と言う看板があった。 魚篭?魚篭荷? はたして名前の由来はなんだろうね? すぐに、 寸又川沿いに奥へと伸びている「左岸林道」 に出た。 吊り橋から林道までのチョットした坂道で、 だいぶ汗をかいてしまった。 林道の脇に、登山コースの案内看板が立っていた。 看板のコース説明の中に「険しい」という文字がある。 そして、看板上の「現在地」を見ると、 その脇に「登山口」の文字が・・・・・。 ショック 朝日岳登山コースは、今居る場所がスタート地点らしい。 登山口に辿りつく前から汗ダラダラかい! |
びくに坂 コース案内看板 |
何だろうね |
登山道は樹林の中を行く。 展望も何もない、斜面に張り付く登り坂。 久し振りの山歩き。 日帰りピストンなので、下山時間が遅くならないように 時間を気にしながら歩く事になる。 泊まり山行と違って気持ちにゆとりがなく、 自然とペースが速くなってしまう。 ペースが速過ぎると、 後でバテたりして大変なんだよね。 ペースを落とすため、 周りの植生を観察しながら行く。 丸いものがくっついている葉っぱがあった。 丸いものを剥がしてみたら、 どうやら葉っぱと「一体」のものらしい。 何だろうね? |
そのうちヤセ尾根を行くようになる。 樹林の中だと・・・展望が利かないので、 どれくらい登ったのかが分かりづらい。 突然、左側の展望が開ける。 正面に、寸又川と大間川の水を湛えた「大間ダム」と、 そこに架かる「夢の吊橋」が見え、それなりに高度を 上げていることを知って喜ぶ。 尚も登り続けて1時間。 山深い雰囲気になったと、辺りを見まわしながら一休み。 直後、残念ながら中部電力の広報や 救急車のサイレン音が聞こえてきた(苦笑) 喉の渇きは無かったけど、 用心の為に水分をとり、再び登りにかかる。 途中、ロープを張ってある場所がいくつかある。 「中には興ざめだとか言う人もいるんだろうな」 などと思いつつ、地元の有志が苦労して 整備した登山道を行く。 登山道が整備される前は、 時々事故とかがあったらしい。 そのうち、トラバース道になる。 紫色の木の実の皮が落ちていたので見上げると、 食べ頃のアケビがブラブラとぶら下がっていた。 アケビは帰路の楽しみとし、先に進む。 |
大間ダム あ け び |
合地ボツ |
すぐに、「合地ボツ」という看板の立つ場所に到着した。 看板の横にも、合地ボツと彫られた石碑があった。 裏を見ると「安らかに眠れ」と彫られていた。 合掌して、右に90度折れて尾根上を行く。 「ピチピチ・・・♪」と鳥の鳴声が降り注ぐ。 見上げると、木の枝には 幾羽も「お手玉にくちばしが生えた」ような 可愛い小鳥がとまっていた。 チョコチョコと、枝から枝へと飛び移る。 本当に、お手玉のようだ。 |
勾配の緩やかな尾根を歩いて行く。 間もなく「見晴台」などの看板が、連続して出てくるようになる。 |
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赤ペンキが導いてくれる |
迫力のあるガレの頭 |
北西方向が開けた場所では、 西を望むと、寸又三山のうちの一座「前黒法師岳」が大きくそびえ、 北を望むと県境向こうの、信州の空まで見渡せた。 特徴的な双耳峰は池口岳かな? いまいち、山名が分からない。 |
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手前が前黒法師岳・奥が黒法師岳 |
寸又川最源流を囲む山々 |
少し進むと「ヤシオツツジ見所」という看板が現れた。 辺りを見ても、どれがツツジか?・・分からない。 こんなに立派な看板を立つほどだから、 花の時期に来れば、きっと素晴らしいのだろう。 今度は「ツツジの美しい時期にも来るのもいいな」と思った。 |
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ツツジ見所の看板 |
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ツツジの看板の脇では、 2本の木が熱いドラマを繰り広げており、目のやり場に困った。 |
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熱い抱擁 |
昼メロ? |
周りの樹や地形を見ながら、どちらかと言うと水平方向に距離を延ばしていく。 そのうち、段々と斜面が立ってきた。 |
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よく整備された登山道 |
勾配はあるけど踏み跡は明確 |
左に崖を見ながら、急坂を這い上がる。 やがて、なだらかになると、「栗山沢の頭」の看板が現れた。 そこからは、うっそうとした緩斜面を行く。 1本だけ、太く大きな樹が現れる。 クルミかな? 下から、大きく張った枝々を見上げる。 風格漂う巨木をカメラに収め、少し先に進むと、 木々の間に何かが見えた。 それが山頂の目印。 標高1826m・朝日岳の頂点を示す看板だった。 |
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風格漂う巨木 |
朝日岳山頂 (木々の向こう) |
まずは三角点に触り、東方の切り開きの間から、 対岸の、栗代川左岸稜線を望む。 突出した三角形は風イラズか? その山頂は、すぐにガスの中へと消えてしまった。 |
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コンニチハ |
栗代川の対岸を望む |
三角点の脇に座り、パンを食べる。 静かで良い山頂だけど、周りを見るとゴミだらけ。 一休みしたら、ゴミを拾う事にした。 ゼリーや飴の包み・銀紙・タバコの空箱等が、そこかしこに落ちている。 わずかな時間で買い物袋一杯のゴミが集まった。 大分きれいになった! ゴミの多さに辟易したけど、 これで、今度来る時は綺麗な山頂が迎えてくれるかな? |
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45分の滞在で山頂に別れを告げる。 のっけから、登り以上に辛い下りが待っていた。 ゆっくりゆっくり下る。 途中、アケビ取りに夢中になる。 また、斜面に落ちていた「青い木の実」を かじってみては、そのスッパさに驚いたりした。 ザラザラの急勾配で滑り、膝を捻った。 歪んだ顔で目前の斜面を見ると、 細技に、カミさんの好きな「梅仁丹」の様な実がなっていた。 「慎重にしなきゃ、ダメじゃないの!」 山にまで来て、カミさんに怒られているような気分になった。 |
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既に色づいた葉っぱの向こうに、 奥大井の山々を繋ぐ稜線が見える。 人もまた、いつかは枯れ落ち土にかえる。 それまでに、その向こうに見える頂に、 どこまで近付けるのかな? |
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